インフラ老朽化対策とは?橋梁補強の専門業者がポイントを解説
インフラ老朽化問題は以前から問題視されてきた問題ですが、ここにきて表面化してきており、今すぐにでも対策に乗り出す必要があります。
しかし、実際に効果的な対策ができている例は少ないのが、現場で建設工事をしている業者目線の本音です。
- インフラ老朽化対策の概要
- 効果的なインフラ老朽化対策のポイント
- 橋梁の老朽化対策に効果的な新時代の工法
この記事では、インフラ老朽化対策に関する以上の点について、専門業者の視点でわかりやすく解説していきます。
インフラ老朽化対策とは?
一般的に、インフラコンクリート構造物の寿命は50年といわれています。
そして、日本のインフラ設備の大半は50年前の高度成長期に建設されているため、今後、日本全国で急速かつ大規模的にインフラ設備の寿命を迎えることは既定路線です。
また、建設当時考慮されていなかった地震や大雨などの大規模災害が頻発しているのも事実です。
したがって、「寿命を迎える」「大規模災害の頻発」という2つの要因が重なることで、今後想定外のインフラ関係の事故が日本全国で起こる可能性は十分にあるといえます。
しかし、このような状況でも、人材難や予算不足により、インフラ老朽化対策が進んでいるとはいい難いため、国全体でインフラ老朽化対策に対して危機意識を持つことが求められるでしょう。
効果的な老朽化対策を実施していき、かつ事後保全から予防保全へとシフトしていくことで、今後の日本の国土を守っていく必要があります。
効果的なインフラ老朽化対策のポイント3選
インフラ老朽化対策で大切なポイントとして、以下の3点があげられます。
- 点検がしやすい
- 施工しやすい
- 高寿命化でライフサイクルコストを抑えられる
それぞれのポイントについて、インフラ老朽化対策の専門業者の視点で解説していきます。
1.点検がしやすい
インフラ老朽化対策では「補強、補修効果」にばかり注目が集まりがちですが、それと同じくらい「点検がしやすい」ことが大切です。
どれほど効果的な対策工法を実施しても、定期的なメンテナンスは絶対に必要です。
そして、そのメンテナンスにかかる時間やコスト、さらには人材リソースが多くなればなるほど、メンテナンスは行いにくくなってしまいます。
結果、必要なメンテナンスが実施されず、大きな問題に発展しては本末転倒です。
「目視で簡単に点検できる」といった特徴を備えた老朽化対策を講じることで、「予防安全」の観点から見たインフラの老朽化対策が可能になります。
2.施工しやすい
老朽化対策の施工に大量の資材や大規模な交通規制が求められると、自治体から敬遠される可能性が極めて高いです。
今はよほど経済的に潤っている自治体でない限りは、大幅なコストカットが徹底されているため、施工性の悪さは老朽化対策の実施可否に直結します。
- 安く
- 簡単に
- 交通規制を最小限に
以上のような特徴を持つ老朽化対策を採用し、どんな自治体でも採用しやすい施工を実施することが求められるでしょう。
3.高寿命化でライフサイクルコストを抑えられる
かつてのインフラ老朽化対策は、施工してもそれほど長く高寿命化できない点が問題視されていました。
たとえば、橋梁の床版を補強する工法の1つ「鋼板接着工法」では、補強のために接着した鋼板が剥離する、いわゆる「浮き」という現象が確認されています。
出典:土木技術支援・人材センター 大石雅登ほか|鋼板接着補強 RC床版の疲労耐久性および樹脂再注入の補修効果に与える剥離率と水の影響(都土木技術支援・人材育成センター年報 2021,1)
これは、補強後に点検やメンテナンスがしにくく、老朽化対策後の劣化の早期発見がしにくいことが原因で生じる問題です。
このような補強では、「老朽化対策の老朽化対策」のように、対策の対策が求められる可能性が高まり、結果的にライフサイクルコストを大幅に押し上げます。
これでは同じ問題が繰り返されるだけなので、「高寿命化でライフサイクルコストを抑える」という観点を持つことが、極めて重要であることがわかるはずです。
橋梁の老朽化対策に効果的なスーパーホゼン式工法
ここからは、インフラ老朽化のなかでも特に重要視されている「橋梁の老朽化対策」の見本例として、当社が特許を持つ「スーパーホゼン式工法」を紹介します。
スーパーホゼン式工法の施工手順
- カッター溝をあけ樹脂導入路を造る
- テーパー付きT型アンカーで網鉄筋を床版下部に圧着固定する
- ポリマーセメントモルタルで床版下部と網鉄筋を全面接着する
- 超低粘度エポキシ樹脂を注入する
- 仕上げ作業を行う
スーパーホゼン式工法の最大の特徴は「施工手順」にあります。
一般的な老朽化対策は「補修(強度を回復する)」と「補強(強度をアップさせる)」のいずれかを行いますが、スーパーホゼン式工法は補修と補強を同時に行い、高寿命化に貢献します。
具体的には、事前にあけておいたカッター溝に樹脂を導入する「樹脂注入補修工法」と、金属板を床版下部から当てる「下部接着補強工法」を同時に行えるよう、施工フローにあらかじめ盛り込んでいます。
こうすることで、工期とコストを最小に抑えながらも、効果的な老朽化対策が可能になるのです。
スーパーホゼン式工法のメリット
続いて、スーパーホゼン式工法のメリットを以下にまとめました。
- 床版下部から施工することで交通規制が不要
- 樹脂導入路を事前に作ることで無数に存在する0.2mm未満のひび割れまで対策できる
- アンカー、モルタルで鉄筋を床版下部に固定、接着することで振動による影響を低減した状態で作業ができる
- 補修(ひび割れ補修やかぶり不足)、補強(床版厚増加、鉄筋量増加)のどちらにも適用できる
- 網鉄筋を強固に接着することで鋼板接着工法のような剥落の心配がない
- 使用する材料が軽量、かつ施工性に優れるので工期短縮、コスト軽減が期待できる
- 水漏れの有無を確認することで目視による点検が容易に可能
メリットが多岐にわたるため全てを解説するのは難しいですが、インフラ老朽化対策の観点から見ると、「施工性の高さ」「目視点検のしやすさ」に注目すべきです。
交通整理が不要で使用材料が軽量なので、どんな現場でも採用しやすい工法だといえます。
また、水漏れの有無を確認するだけで床版内部の状態を正確に把握できるため、目視による点検が容易に行えるのも見逃せないメリットの1つ。
先述のように、点検のしやすさは「予防安全」に貢献し、ライフサイクルコストを大幅に下げることや高寿命化につながります。
このように、私たち「サン・ロード株式会社」では、これからの日本を考えた上で合理的な橋梁の老朽化対策になり得るスーパーホゼン式工法を実施しています。
インフラ老朽化対策なら「サン・ロード株式会社」にお任せください
インフラの老朽化対策は喫緊の課題であるものの、さまざまな問題から効果的に実施されていないのが実情です。
- 点検がしやすい
- 施工しやすい
- 高寿命化でライフサイクルコストを抑えられる
以上の点を抑えた施工により、ライフサイクルコストを抑えたこれからの時代に最適な対策を実施できるでしょう。
私たち「サン・ロード株式会社」では、橋梁の老朽化対策としてメリットに富む「スーパーホゼン式工法」を実施しています。
興味を持っていただけたお客さまは、施工可否や具体的なコスト感を含め、「当社カタログ」を確認いただくか、「お問い合わせ」にて相談いただけますと幸いです。