サン・ロード株式会社

Rアンカーは抜き取り可能なアンカーボルト!特徴や性能を専門業者が解説

建物や基礎をコンクリートに固定するために使われる、建設業界において欠かせない工具の一つが「アンカーボルト」ではないでしょうか?

そのなかでも「Rアンカー」は、従来のあと施工アンカーボルトの課題を克服した次世代型のアンカーボルトとして、建設業界で注目を集めています。

  • 従来型のアンカーボルトと比較したRアンカーの特徴
  • 3つの観点から見たRアンカーの性能
  • Rアンカーの施工事例

Rアンカーにまつわる上記の点について、専門業者の視点でわかりやすく解説していきます。

Rアンカーとは?

Rアンカー

Rアンカー

はじめに、Rアンカーの概要について解説していきます。

アンカーボルトにはさまざまな種類がありますが、Rアンカーは化学物質によりコンクリートに接着させ、施工後に引き抜き、撤去することを前提とする「接着式あと施工アンカーボルト」の一種です。

RC構造物に対するブラケット固定方法として接着式あと施工アンカーボルトは多用されており、私たち「サン・ロード株式会社」では、主に橋梁における支承取り替え等の施工にて使用しています。

Rアンカーの設置、撤去手順は下記の通りです。

Rアンカーの設置手順

Rアンカーの設置手順

Rアンカーの撤去手順

Rアンカーの撤去手順

設置、撤去、ともに従来のあと施工アンカーボルトよりも短時間に、そしてコンクリートに負担をかけずに実施できるという特徴を持っています。

Rアンカーの特徴を従来のあと施工アンカーボルトと比較

Rアンカーは従来のあと施工アンカーボルトとどのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、「打ち込み式アンカーボルト」「エポキシ接着式アンカーボルト」の2種類と比較しながら、Rアンカーの特徴について深掘りしていきます。

打ち込み式アンカーボルト

打ち込み式アンカーボルトはこれまで最も多く使用されてきたあと施工アンカーボルトで、建設業界にいるなら誰しもが使用したことがあるはずです。

使い方は非常にシンプルで、固定したい箇所にハンマー等でアンカーボルトを挿入していきます。

使い方や施工方法がシンプルでわかりやすいのはメリットですが、下記に示すデメリットは決して無視できません。

  • 打ち込み時にコンクリートが拡張し構造物にひび割れを誘発する
  • 抜き取りがしにくくあと施工アンカーボルトとして使いにくい

上記2点のデメリットを避けるべく、現代の建設業界では打ち込み式アンカーボルトの使用を避ける発注者も存在するほどです。

エポキシ接着式アンカーボルト

Rアンカーと同じ接着式アンカーボルトに分類されるのが「エポキシ接着式アンカーボルト」です。

Rアンカーとの違いは「使用している接着剤」であり、エポキシ接着式アンカーボルトではエポキシ樹脂を使用していますが、Rアンカーはアクリル樹脂を使用しています。

打ち込み式のような物理的な力を使うのではなく、化学物質の力を借りて固定をするため、打ち込み時のコンクリート構造物のひび割れ誘発のリスクは低いです。

一方、下記のようなデメリットが近年指摘されています。

  • 撤去時に生じる残存部位が錆びてコンクリート片の剥落やひび割れにつながる
  • 残存部位があることで再度アンカーボルトを施工するときに干渉する
  • エポキシ樹脂が使用できる温度、湿度に制限がある
  • エポキシ樹脂が硬化する時間が長く施工が長期化する

このなかでも「施工時間」が現場を悩ませていました。

エポキシ接着式アンカーボルトの設置手順

エポキシ接着式アンカーボルトの設置手順

上記画像のように、エポキシ接着式アンカーボルトでは、アンカーボルト挿入前のシール材の硬化、および挿入後のエポキシ樹脂の硬化にそれぞれ最低でも1日間の待ち時間が発生します。

この待ち時間の間、該当箇所の施工が止まるため、これを考慮した上で施工スケジュールを立案する必要がありました。

Rアンカー(アクリル接着式あと施工アンカーボルト)

上述の打ち込み式、エポキシ接着式のアンカーボルトと比較すると、Rアンカーの特徴やメリットは非常にわかりやすいです。

分類的には、エポキシ接着式と同様に「接着式あと施工アンカーボルト」の一種で、接着剤としてアクリル樹脂を使用しています。

アクリル樹脂は「迅速に、強固に硬化する」点が最大の特徴で、身近なところで言えばUVを照射後、数十秒で硬化する「ネイルサロンの接着剤」としても使われています。

同じ接着式のエポキシ接着式アンカーボルトと比較したメリットを下記にまとめました。

  • -10度の低温下でも施工可能(北日本でも使える)
  • 硬化時間が25度で70分、5度で120分程度と短い
  • 湿潤面への施工が可能
  • 混合比率をある程度ラフにしても強度低下が少ない(施工性が高い)
  • 粘度が高く横向き、上向きでの施工が可能
  • 撤去時は基材を含めて全撤去が可能

上記のように、Rアンカーは現場を悩ませるエポキシ接着式の課題を克服しているため、非常に施工性、汎用性が高い点が特徴です。

Rアンカーの性能確認結果を3つの観点から解説

Rアンカーがメリットに富んだ、優れたアンカーボルトであることを説明しましたが、性能についても気になるのではないでしょうか?

Rアンカーの「強度」「湿潤下での挙動」「低温下での挙動」という3つの観点における性能は下記の通りです。

  • 強度:エポキシ樹脂と同等
  • 湿潤下での挙動:エポキシ樹脂の2倍程度の強度を誇る
  • 低温下での挙動:-10度から5度において設計耐力以上を発揮

簡潔に言えば、この3点については「エポキシ接着式よりも優れている」と言って良いでしょう。

なお、上記3点の性能試験については、弊社が独自に実施した性能確認試験の結果に基づきます。

より詳細なデータをお求めのお客様は、弊社カタログをご覧いただくか、お問い合わせにてご相談いただけますと幸いです。

Rアンカーの施工事例

最後に、私たち「サン・ロード株式会社」における、Rアンカーの施工事例について紹介していきます。

橋梁架設前の落下防護ネット、足場のワイヤーブリッジの固定

新設橋梁架設におけるRアンカーの施工事例

新設橋梁架設におけるRアンカーの施工事例

新設橋梁架設前の落下防護ネット、足場のワイヤーブリッジの固定用あと施工アンカーボルトとして、Rアンカーを採用しました。

橋梁送り出し架設後のジャッキダウン用降下設備ブラケットの固定

新設橋梁送り出し架設におけるRアンカーの施工事例

新設橋梁送り出し架設におけるRアンカーの施工事例

新設橋梁送り出し架設後のジャッキダウン用降下設備ブラケットの固定用あと施工アンカーボルトとして、Rアンカーを採用しました。

開削トンネル掘削時の切梁・腹起し用ブラケットの既設構造物への固定

開削トンネル掘削時の切梁・腹起しにおけるRアンカーの施工事例

開削トンネル掘削時の切梁・腹起しにおけるRアンカーの施工事例

開削トンネル掘削時の切梁・腹起し用ブラケットの既設構造物への固定用あと施工アンカーボルトとして、Rアンカーを採用しました。

高速道路高架橋拡幅工事の仮設ガードレール固定

高速道路高架橋拡幅工事におけるRアンカーの施工事例

高速道路高架橋拡幅工事におけるRアンカーの施工事例

高速道路高架橋拡幅工事の仮設ガードレール固定用のあと施工アンカーボルトとして、Rアンカーを採用しました。

中国自動車道大規模更新の仮設備固定

中国自動車道におけるRアンカーの施工事例

中国自動車道におけるRアンカーの施工事例

中国自動車道(吹田JCT~中国池田IC間)大規模更新の仮設備固定用あと施工アンカーボルトとして、Rアンカーを採用しました。

Rアンカーの販売、施工はサン・ロード株式会社にお任せください

Rアンカーは従来のあと施工アンカーボルトと比較して、メリットに富んだ画期的なアンカーボルトです。

弊社における施工事例も増えてきており、その施工性、汎用性の高さから、今後建設業界で主流になるアンカーボルトであると考えています。

Rアンカーについて興味を持っていただけたお客様は、弊社カタログをご覧いただくか、お問い合わせにてご相談ください。

具体的なコスト感や施工上の肌感について、詳細にお伝えいたします。