コンクリートのコア抜きはどんな工法?定番の3種類の工法を徹底解説
コンクリートのコア抜きは建設現場で欠かせない工事ですが、工事に臨む前に事前に下記の点を明確にしておく必要があります。
- コア抜きを行う目的
- コア抜きの作業内容
- コア抜きの工法
そこでこの記事では、コンクリートのコア抜きの基礎知識や手順、さらに3つの工法についてわかりやすく解説していきます。
コア抜きとは
はじめに、コア抜きに関する基礎知識から解説していきます。
コア抜きを一言でまとめると「コンクリート構造物に穴を開けること」です。
建設現場における用途は多岐に渡りますが、代表的なものを下記にまとめました。
- 配管や配線の通路の作成
- 空調設備の設置
- アンカー設置
- 建築物の解体
- 建築物の構造調査
- 壁面に穴をあける
ご覧のように、各種建設設備の作成から解体、さらには構造調査など、多くの建設作業に用いられていることがわかります。
コア抜きとスリーブ工法の違い
また、コア抜きとよく似ているものに「スリーブ工法」が存在しますが、両者は「コンクリートに穴を開ける」という点では共通しています。
両者における最大の違いは「作業を行うタイミング」です。
コア抜きはコンクリートを切削する機材を使用し、既存の構造物に「後から穴を開ける」作業を指します。
一方、スリーブ工法はコンクリート構造物に「事前に穴を開けておく」ために、あらかじめスリーブと呼ばれる筒を導入する工法です。
こうすることで、コンクリートを流し込んだときにスリーブ部分に貫通孔を確保でき、各種配管や配線を挿入するスペースを作ります。
コア抜きの一般的な手順を5ステップで解説
続いてコア抜きの手順を下記の5つのステップで解説していきます。
- 鉄筋位置を知るためにコンクリート構造物を事前調査
- 粉塵や騒音の対策
- アンカー打ち
- コア抜き作業
- 水や残骸の処分
いずれのステップもコア抜きには欠かせないものなので、順番に確認していきましょう。
1:鉄筋位置を知るためにコンクリート構造物を事前調査
コア抜きを行う時、絶対に欠かしてはいけないのが「事前調査」です。
コンクリート構造物の内部には鉄骨が多数存在し、コア抜きの切削作業で鉄骨を傷つけてしまうと構造物の構造や耐震性能に大きな悪影響を与える可能性があります。
事実として、過去にマンション建設において不適切なコア抜きを行ったとして、建設会社が全額負担にて建て替えを行なった事例もありました。
したがって、鉄筋探査装置を使用した入念な事前調査が求められます。
2:粉塵や騒音の対策
続いて粉塵や騒音の対策を行いますが、こちらは一般的な建設現場における対策と同様です。
粉塵が舞うと作業員や近隣住民の健康に悪影響を与え、騒音はトラブル要因になるため、しっかりとした対策が必要です。
3:アンカー打ち

ウォータージェット穿孔の様子
次に、穴を開ける穿孔機を固定するために必要なアンカーを設置します。
コア抜き時には少しのズレが鉄筋を傷つける可能性があるため、作業を精密に行うために必要な工程です。
4:コア抜き作業

コア抜き後の様子
ここまでの工程を終えたら、いよいよコア抜き作業に入ります。
採用する工法や使用機材によって変わりますが、作業時には高い集中力に加え、大きな振動や騒音、粉塵に対応する必要があります。
作業員には大きな負担がかかるため、配慮しなければいけません。
5:水や残骸の処分
コア抜きが終わったら、最後の工程である後片付けを行います。
粉塵やコンクリート片、さらにはコンクリートと水が混じったノロなど、作業場周辺にはさまざまな廃材が生じます。
こうした廃材は自治体によって廃棄方法が異なる場合があるので、事前に確認した上で後片付けを行います。
コア抜きの3つの工法「乾式穿孔」「湿式穿孔」「ウォータージェット穿孔」を解説
コア抜きには下記3つの工法が存在します。
- 乾式穿孔
- 湿式穿孔
- ウォータージェット穿孔
それぞれの工法に特徴やメリット、デメリットが存在するため、一覧表にまとめました。
乾式穿孔 | 湿式穿孔 | ウォータージェット穿孔 | |
---|---|---|---|
作業速度 | × | △ | 〇 |
作業員負担 | × | △ | 〇 |
構造物の保存性 | △ | △ | 〇 |
コスト | 〇 | △ | × |
孔壁 | 平滑 | 平滑 | 凹凸 |
ご覧のように、工法ごとに強みや弱みがはっきりしていることがわかります。
それぞれの工法について、詳しく解説していきます。
乾式穿孔
乾式穿孔はドリルにビットと呼ばれる機材を取り付け、コンクリートを切削していく工法です。
湿式穿孔、ウォータージェット穿孔ともに切削時に水を使用しますが、乾式穿孔では水を使用しません。
したがって、手軽に作業ができたり、上階や高所での作業が可能というメリットがある一方で、下記のようなデメリットが存在します。
- ビットを冷却する必要があるため作業速度が遅い
- 粉塵が大量に発生するため集塵設備が必要
- 高温、振動、粉塵、騒音の中で作業を行うので作業員への負担が大きい
- 鉄筋を傷つける可能性がある
費用を他の工法よりも抑えられますが、デメリットも多く存在するので慎重に検討を行ってください。
湿式穿孔
湿式穿孔はビットを付けたドリルで切削を行う点は乾式穿孔と同様ですが、作業時に水を使用する点が異なります。
水を使用することによりビットを冷却しながら穿孔できるので、乾式穿孔よりも速く作業を進められます。
また、作業時に生じる熱や振動、粉塵、騒音を抑制できるので、作業員への負担を軽減できるのも強みです。
一方で、下記のデメリットについて把握することも大切です。
- 水やノロの処理が必要
- 給水機材が必要
- 上階や高所など水が使用できない場所では作業ができない
シチュエーションに応じて、他の工法との使い分けが求められます。
ウォータージェット穿孔

ウォータージェット穿孔の様子
乾式穿孔、湿式穿孔では、ともにビットを取り付けたドリルで切削を行いましたが、ウォータージェット穿孔では「水圧」で切削を行います。
こちらのように、機材のレバーを動かすだけで作業が完結するため、極めて速く作業を進められます。
また、ドリルではなく水圧を使用するので鉄筋を傷つける心配がなく、さらに作業員に負担をかける下記要因を大きく軽減可能です。
- 熱
- 振動
- 粉塵
- 騒音
加えて、削孔作業と同時に吸引し、廃材の粒径が大きく処理水がヘドロ状にならないので後片付けがしやすいのも特徴です。
そして、乾式穿孔や湿式穿孔と比べると、孔壁の形状が大きく異なる点も見逃せません。
ドリルを使用する乾式穿孔や湿式穿孔は平滑な孔壁となりますが、ウォータージェット穿孔では下記画像のような仕上がりとなります。

コア抜き後の様子
孔壁が凹凸状に仕上がるので、コア抜き後に導入する鉄骨や充填材との付着強度が高まり、構造物の強度向上に貢献します。
このように、ウォータージェット穿孔はメリットに富んだ工法ですが、費用面で他の工法に劣るのがデメリットです。
しかし、作業スピードや鉄骨の保存性、作業員への負担軽減など、画期的な工法であることに疑いはないので、導入を検討してみる価値は大いにあるでしょう。
コア抜きの単価はどれくらい?
コア抜きには以上3つの工法がありますが、単価やコスト感について気になる方も多いのではないでしょうか?
参考までに、私たち「サン・ロード株式会社」が提供しているウォータージェットを用いたコア抜きでは、おおむね「10cmあたり10,000円から40,000円」にて提供しています。
※作業で使用する水は支給いただきます
※作業で生じる汚泥処理費用は別途いただきます
乾式穿孔、および湿式穿孔よりも割高ではありますが、以下の点を考慮すればコストパフォーマンスは決して悪くありません。
- 高速で作業が進む
- 作業員への負担を抑えられる
- 廃棄物を抑えられる
ウォータージェット穿孔についてより詳しく知りたいお客さまは、まずは「カタログ」をご覧いただけますと幸いです。
コア抜きの注意点・リスク
コア抜きを施工するにあたり、注意すべき点やリスクが存在します。
最も注意すべきリスクは「鉄筋の誤切断」です。
コア抜きに伴うドリルビットによる鉄筋の誤切断はコンクリート構造物に致命的な影響を与え、過去にはマンション一棟を丸ごと建て替える事例も存在しています。
他にも、粉塵、水漏れ、騒音、そして振動といったリスクが伴うため、適切な対策を講じることが求められるでしょう。
また、上記の注意点、リスクの大半を克服しているウォータージェット穿孔は、これからの時代のコア抜きの有力な選択肢になるはずです。
まとめ
コンクリートのコア抜きは建設現場で広く用いられる工法なので、詳細について知っておくことは非常に大切です。
これまでは乾式穿孔、湿式穿孔が主流のコア抜き工法でしたが、私たち「サン・ロード株式会社」では水圧を使ったウォータージェット穿孔に力を入れています。
公式ホームページでは事業内容を写真や動画、カタログにてご紹介していますので、興味を持たれたらぜひご覧ください。
また、工法や使用機材の詳細、さらにはコア抜き作業のお見積もりなどのお問い合わせもお待ちしております。